洞窟空間に創作される、バラの花1000本を使用した巨大フラワーアート

フランス、ロワール地方、ドゥエ・アン・アンジュ(Doue enAnjou)は、フランス有数のバラ産地であり、めずらしい洞窟住居があることで有名な場所です。1959年に“バラの日々”(Journeesde la Rose)と呼ばれるこの地方の夏祭りが始まりとなり、以降毎年7月に開催、ドゥエ・アン・アンジュ特有の壮大な洞窟空間に展示される500種類、10万本のバラのつぼみを中心とし、文化的には詩やシャンソン、写真、スライドの国際コンクールが開かれるなど年々活動は多様化しています。


「アート・フローラル国際コンクール」(CONCOURS INTERNATIONAL D’ART FLORAL DE DOUE EN ANJOU )は、気鋭のフラワーアーティスト達に自分自身の可能性を広げる場を提供することを目的に“バラの日々”のメインイベントとして1989年に開始され、30年以上に渡りヨーロッパを中心とするフラワーデザイナーにとって、花の表舞台への登竜門としての重要な役割を果しています。


コンクールには世界各国よりそれぞれ選抜された1チーム4人の代表選手が出場、花はバラのみ1000本を使用して巨大な洞窟空間(高さ7メートル・奥行き4メートル・幅6メートル)を満たす大作を創り上げることが求められ、作品のスケールと空間構成の技術、チームワークが求められるÄb0質の高さにおいて世界有数のフラワーアート国際コンクールです。


これまで日本代表チームは5度のグランプリ獲得、4度の準グランプリを受賞するなど大変優秀な成果を収めています。

テーマは「バラとストリートアート」、ベルギーがグランプリ受賞

フランス「アート・フローラル国際コンクール」は、7月10日~12日の3日間開催。フランス、イタリア、スペイン、日本、ベルギー、ウクライナ、リトアニア、オランダの8か国が出場し、ヨーロッパを代表するフラワースクールや実力あるフローリストが2日間しのぎを削りました。日本代表チームは、「FLOWER ART AWARD2020 in TOKOYO MIDTOWN」グランプリ受賞の新井光史さん、保屋松千亜紀さん、村上光悦さん率いる第一園芸の実力あるフローリスト4名が大会に参加し、その高度な技術を遺憾なく発揮しました。


2023年のテーマは「バラとストリートアート」。フランスのトップフローリストでありワールドカップチャンピオン、著名な造園家Philippe LE PETIT氏が審査員長を務め審査が行われ、テーマを素晴らしい表現力で具現化したベルギーチームがグランプリ輝き、日本チームは5位を獲得しました。


CONCOURS INTERNATIONAL D’ART FLORAL DE DOUE EN ANJOU 2022 会期:2023年7月10日~12日(一般公開は16日) 場所:フランス、ドウエ・アン・アンジュ 順位:1位ベルギー、2位スペイン、3位リトアニア、4位ウクライナ、5位日本、6位フランス、7位イタリア・オランダ(7位2か国)

2023年度フランス「アート・フローラル国際コンクール」日本代表

新井光史( Koji ARAI)


花の生産者としてブラジルに渡る。サンパウロのフラワーショップでの経験から、花とその表現手段へ の情熱に目覚める。帰国後、ホテル内の第一園芸フラワーショップを担当。現在、企画デザイン部所属。 日本を代表するフラワーデザイナーとして、近年はウエディング・レセプションの装飾やオーダーメイ ドアレンジメントの依頼だけでなく、デモンストレーションやワークショップなど、世界各地のイベン トに招かれている。 2020 、 2022 FLOWER ART AWARD in TOKYO MIDTOWN グランプリ

保屋松千亜紀(Chiaki HOYAMATU)


第一園芸フラワーコーディネーター。2006 年の⼊社以来、1万を超えるウェディングブーケを花嫁のもとに届けてきた。ウェディングを中⼼に幅広く活躍中。2020FLOWER ART AWARD in TOKYOMIDTOWN グランプリ

志村紀子(Noriko SHIMURA)

国内を代表するホテル、外資系大手ラグジュアリーホテルのウェディングやパーティー装花に携わり、帝国ホテルプラザ店オープニングスタッフとして店舗部門に異動、2014年より同店店長として活躍。2022年4月よりフラワーデザイン課課長に着任。会社を代表するデザイナーとして、第一園芸アカデミーの講師から、対外的なワークショップ講師、ノベルティの商品提案、空間装飾のデザインなどを手掛けている。(モットーは、“自分がうけて気持ちの良いサービス”と“ヒールで臨む、凛とした花生けのスタイル”。そこから生まれるエレガントでリッチなデザインは、女性ファンが多く華やかなシーンには欠かせない。)


村上功悦(KouetsuMURAKAMII)


第一園芸株式会社フローリスト。16歳で花の世界への情熱に目覚めてから6年。日々、自然のエッセンスを取り入れた作品作りに励む。2022年、新井光史氏とタッグを組み、東京ミッドタウンで開催されたFLOWER ART AWARDでグランプリを受賞。